きみと繋げた雪明かり


「…うん、でもごめん。ちょっと用事あるから行かなきゃ!」


「待っ……!」


「じゃあねっ……」



ごめんなさいごめんなさいごめんなさい…!!!


まだ何か言いたげそうな岬木くんを置いて昇降口まで走るけど、とにかく罪悪感か半端ない。



でも、これだけはわかって欲しい。


会長として将来有望な岬木くんの評判をこんな私がらみのことで潰したくない。


つまり、あなたを思ってのことなんです…っ!


「はぁ、はぁ……」


ここまでくれば追いかけてこないよね……?


後ろなんて見ずに昇降口まで一目散に走り、靴を履き替える。


少し後ろを見てみたけれど特に追っ手はいなくて安心した。



……はぁ、明日からまた気まずくなるよ。


面倒事は苦手、と言っておきながら自分で増やしてる自分に少し腹が立つ。


とりあえず、明日からまた空気として生きなきゃ……


そう決意しながら家までの帰路についた。
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