きみと繋げた雪明かり
「……それってさ、もしかして凛子ちゃんのこと?」
「……え」
杉田くんから話された”凛子ちゃん”と言う言葉に一瞬体が固まる。
な、んで杉田くんがあの子のことをっ……
あの子の話はこの学校では一回もしていないし、私の出身中学から来ている生徒は同学年でもいなかったはずだからおかしい。
なら、どうして……
目の前にいる、「杉田翔」という存在がだんだん謎に見えてきてしまった。
「…やめよっか。この話は」
私があからさまに動揺したのか、杉田くんは気遣い深入りしないようにしてくれた。
「…まあ、光の告白をどうするかは夜宵ちゃん次第だよ。俺にはどうすることもできない」
「……そうだよね」
そうだ、全ては私が決めること。相談に乗ってもらってるとは言え、答えを決めるのは私だ。
…でも、だからこそしんどい。
プレッシャーというものがあるんだよ世の中には……!!
「あ、じゃあ悩んでる夜宵ちゃんにあどばーいす」
「…なに?」
杉田くんが手を招くような仕草をしたので、そばに行って耳を貸す。
「水かけられちゃったときとか、もの隠されちゃった時、光があんまり来なかったでしょ?」
「…まあ、そうだね…」
私はてっきりこれ以上私と関わるとさらに燃えるから距離をおいているのかと…
「あれさ、悪いけど俺が止めてたんだよね。今お前がいくとさらに面倒なことになるぞって」
「え…?」
「んーでも、それ聞かなかったらしくて、結局水ぶっかけた犯人には夜宵ちゃんいないところで先に怒っちゃったし、何かされてないかって常に夜宵ちゃんのことガン見してたよ?」
杉田くんの口から明かされまくる新事実に動揺が隠せないですけど…
……なんと、見捨てたわけではなかったのか。
距離を置かれてたときは特に当然って思ってなにもしなかったけど、そ、そう言うことだったのか…
「…それだけ!じゃあね、どっちの結果になっても応援してるよ」
「うん、ありがとう…!」
杉田くんはそれだけ言って教室から出て行った。