きみと繋げた雪明かり
「——と、こんな感じかな」
「わかった、今日もありがとう…」
例の打ち合わせが終わり、颯爽とともえちゃんと帰ろうと準備を進めていると、扉がばん、と音をたてて開いた。
「せんぱーい!終わりましたか?」
「うん、帰ろっか…!」
とにかく早くここから立ち去りたい…!!
鞄を持って、ともえちゃんのところに行こうとしたとき、岬木くんがさっきまで座っていた椅子から素早く立った。
「……松下さん、お願いがあるんだけど—今日、一緒に帰るの譲ってくれないかな?」
「はい?」
「え」
私とともえちゃんが岬木くんの言葉に同時に反応して、なんとも言えない雰囲気となった。
ま、じで……!?
でも、ともえちゃんもここで引き下がる女では——
すがるような思いで、ともえちゃんの方をチラッと見る。
ともえちゃんは一瞬、頭の上にはてなを浮かべたあと、何か閃いたというように顔が明るくなった。
…まずい、これは。
「あ!な〜んだ、そう言うことですか?わっかりました!私はここで退散しますね!!」
……ともえちゃん!!!
そのまま素早く教室から出て行くともえちゃんをなんとも言えない感情で見ることしかできなかった。