きみと繋げた雪明かり


「そ、空がっ、綺麗だね…!」

「……うん」



なんだか声がうわずった気もするけど、気にしている余裕なんてない。



おまけに「天気がいいね」くらいの定番すぎて逆につまらない話題を持ってきた私は、つくづく話すのが下手だなと実感する。


私が1人反省会をしていると、岬木くんのほうから「あのさ…」と声をかけてきた。


「空って言えば…星野夜宵って名前、綺麗だよね。星と夜って感じで」


「そ、そんなことないよ……岬木くんの方が、光ってすごい綺麗だと思う」



光ってすごい岬木くんを表す名前だと思っている。いつも煌めいてて光っている存在。



正直言って私の名前は夜だから性格が暗いってことしか表してないと思う……



「…そうじゃないと思うよ。夜ってなんだか落ち着くじゃん。だから星野さんのところに行くとすごく楽しいし落ち着けるんだ」



優しい笑顔でそう言う岬木くんは本当の王子様かと錯覚するくらいだった。



眩しいなぁ…やっぱり。



本当にこんな完璧な人が私のことを好きなのかって錯覚するくらいだ。



この前のあれ、全部夢だったとかいうそんなオチはないよね……!?
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