きみと繋げた雪明かり
「はい!じゃあ、シンデレラとかは?」
いきなり、元気よく手を挙げたのはクラスの中でも目立つ方のグループにいる女子生徒だった。
というか、シンデレラってどう言うことだろう…?
劇団で見るよりかは絵本とかそっち系で見る感じのお話だよね。
老若男女知ってると思うし。
「子供むけって思ったかもしれないけど、光くんの意見みたいに話の流れとかみんな知ってると思うし、なにより高校生だったらどんな感じになるのか、が一番知りたいかな」
「いいじゃん、なんか面白そう」
「こっちには手芸もいるし、衣装もできそうだしね」
みんなも賛成のようで、前向きな意見が多い印象。
シンデレラか…たしかに、高校生バージョンってなんだか気になるかも。
「ではシンデレラと言う案が出ましたが、他の意見がある方」
学級委員はそう言ったけれど、みんな納得したのか、このあと結局シンデレラに決定した。
***
「すごいね、岬木くん。まさか王子様役に決定しちゃうなんて」
「いや、全然すごくないよ。星野さんは総務だっけ、そっちのほうがかっこいいよ」
王子と言う主役級の役に決まっても謙遜を忘れない、これがまさにリアル王子の静野くん。
LHRが終わった後、私たちは文化祭運営のことについて、私の席で話し合っていた。