きみと繋げた雪明かり


「けど、正直言って劇に決まったのは良かったかも。去年の先輩に聞いたんだけど、抽選、結構大変みたいだから」


「そうなんだ…」


たしかに、ただでさえ文化祭で忙しい生徒会の任務をこれ以上増やしたくない気がする。


岬くんの負担もこれ以上増やしたくないし…


「あと僕、演劇の経験ないから読み合わせって言うのかな、手伝ってもらいっていい?」


「も、もちろん!!」



少しでも岬木くんの力になれるならなんでもしたい。私だけだったら何もできないから…


1人で練習するより、相手がいた方が役にも入りやすくなるかもしれないしね……‼︎


これくらいだったら進んで引き受けるよ。


「…ありがとう。そしたらまた予定空いてる日にお願いするね」


それはこちらこそだ。会長と主役の2足のわらじは大変なはず。



それと主役、といえば確か……



「杉田くんも劇に出るしね。杉田くんも誘う?」


「あー…翔か…」


「なにかあった?」


急に岬木くんの表情が曇った気がするげと、なにかあったのかな。


私が少し心配していると、それは幻かのように、岬木くんはニコっと笑った。


「……問題ないよ。時間があったら翔も呼ぼうか」


「うん……」


気のせいだったのかな。少し、違和感があったけど…
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