きみと繋げた雪明かり



急に呼ばれた名前と共に「デートして?」の破壊力がとにかく凄すぎて死ぬかと思った。


……岬木くんの本気を見た気がする。



「どう?星野さん、かっこよかった?」


「う、うん…結構…」



恥ずかしくて言えないけど、結構じゃなくて最上級によかった。



本人は「本当?ならよかった」って終わったことにしてるけど。



…ここに3人以外いなくてよかった。ファンの方々がいたら絶対刺されてたよ。



ファンが見たら見たで死人が出る気もする。



私が1人で安心していると、ともえちゃんが急に立ち上がった。


「あ、ごめんなさい!今日迎え頼んでいるの忘れていました…!すみません、お先に失礼します!!」



「あ、うんじゃあね……」



ともえちゃんがそう言ったドアをパタンと閉めると、教室内は私と岬木くんの2人だけになってしまった。



急に静かになった教室。正直言ってめちゃくちゃ気まずい。



ともえちゃんって、場を盛り上げるのうまかったんだな…




「あのさ」


「はひっ!?」


「あはは、そんな警戒しなくていいよ」



すごく静かな教室で岬木くんが急に声をあげるから、びっくりして変な声が出てしまった。



……なんか前もこんなことあったような…
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