きみと繋げた雪明かり
 


それと、興味本位で聞きたかったことがある。


「……劇、どう?やっぱり難しい…?」


「んー…難しい、けど楽しいかな。相手の気持ちを考えながら演技するって今までしてこなかったから」



そっか……でも、文化祭のことを話すときの岬木くんはすごく楽しそうで、こっちまで明るい気分になってしまう。



「私も総務として、岬木くんたちをうまくサポートできるように頑張るよ……!!」


「…ありがとう。星野さん、生徒会でもうまくやってるし演劇の方も上手くできると思うよ」


「あはは……そう思われるだけで嬉しいよ…」


岬木くんに比べたら私なんてミジンコレベルだから、せめて岬木くんのいないところで失敗しないぐらいには努めたい。


岬木くんだったら大成功で終わらせちゃうけど。



そのまましばらく話していると、あっという間に40分ほど経過していた。



***



「……あ、そろそろだ。行こっか」



「そうだね。結構長く話しちゃったよ」



2人で席を立って食器を片付けたあと、エスカレーターに乗って3階の映画館に移動する。



実は直前になって恋愛ものの映画が今上映していることがわかったのだ。



一応シンデレラな恋愛もの?だと思うから、急遽その映画を2人で見ることになった。
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