クールな優等生は溺愛気質。
「ねぇ」

「っ、ひぁ、」



薄暗い、誰もいない教室でピタと壁に背中をつけて、目の前の人物を見上げる。



「ここでなにしてたの?」

「な、なにもっ……してないよ。」


はっとして、頬に指を伝わす。

心のうちを見透かされそうでふいっとうつむく。



「……」

「んっ……や」


そんなわたしを優しく抱き締めてきた男。




クラスではいつもクールで笑わない癖になんで今はこんなに優しくて微笑んでいるのだろう。


その笑みにつられるように再び涙が頬を伝った。
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