クールな優等生は溺愛気質。
「もう、やだ──────」


はっきり物事をいえない自分が。

不必要にテリトリーに踏み込んでくるクラスメートが。

今の自分の全てが──────。



「っえ……」

突然、扉が開いた。


それに寄りかかっていたわたしは後ろに倒れる。


ぎゅっと反射できつくめを閉じる。



「……、泣いてたの?」

低くてすこし掠れた声。


聞き覚えのあるその声に慌てて目を開けると、


「んな──────」



「どうしたの?話、きく?」


クラスメートがいた。

無口でクラスでしゃべっているところもほとんどみたことがない、クラスメート。


しゃがむわたしに目線を合わせてくれている。
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