クールな優等生は溺愛気質。
無意識に、ほんとうに無意識に、背中を腕を回し返していた。


彼の力が強くなったのではっとして、けれど今さら離れるのも変に思えて、その胸に頭を預ける。


暖かい。


じんわりと胸が暖かくなっていく気がした。



ふと、肩に手が乗ってからだが離れる。


ぁ……

ちょん、と彼の制服をつかむと、彼はふ、と笑みを漏らした。




クラスではいつもクールで笑わない癖になんで今はこんなに優しくて微笑んでいるのだろう。


その笑みにつられるように再び涙が溢れてきた。



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