溺愛体質な彼は甘く外堀を埋める。(漫画シナリオ版)
凪がほんの少し長い息を吐く。

(幻滅や諦めじゃない。ため息じゃない)

じっと見る真理。

気付いた凪が目が見つめ返す。



(ただ何かを確かめて受け入れるような,もしくは,単なる場繋ぎのような)



真理がそっとそらす。



(その一呼吸で,凪は助けてくれたんだろうな。私が,困ってたから)



「帰るよ」



(凪は…私のそばにいるには優しすぎる)



今度こそ真理の手を包み込む凪。

真理はほっと息を吐く。

(凪は……傷口にかける,消毒みたい)

じんわりと,凪の存在が胸に染みる。

(やっぱり凪は,私には遠いひと)

(こんなにも近いのに,誰よりも私から遠い)

小さく肩を落とす真理。

(後悔に似ていて,自責や懺悔にも似てる)

真理に気付く凪。

なにも言わず,前を見る。

(この気持ち,何て言うのか,国語の先生に聞いてみよう)

帰路につく2人。
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