溺愛体質な彼は甘く外堀を埋める。(漫画シナリオ版)
⚪自宅,真理の部屋前(朝)

翌日の土曜日。

1人で自室を出る真理。

(うん,凪より早く起きれた)



「「あ」」



階段を下り,丁度凪が階段を上ろうとしている凪と目が合う。

(間に合って,よかった)

チラリと凪の顔を伺う真理。



「残念」



目を細め,軽い口調で笑う凪。



(良かった……いつもと何も変わらない)

(昨日,何か間違えたんじゃないかと思ったけど……)



「おはよう,凪」

「おはよう」



(でも凪が笑ってくれるなら,それが答え)



真理を待つ凪と,早足になる真理。


(それが私の逃げで,凪のやさしさ)

ーパタパタパタ

2人の間を抜けるような,軽やかな音。



「凪くんよろしく」



階段を下りきる真理。

テンションの高いお母さんがじゃっと片手を上げて出ていく。

(よろしくって,何……)
< 14 / 27 >

この作品をシェア

pagetop