溺愛体質な彼は甘く外堀を埋める。(漫画シナリオ版)
(~っお父さんのばか!!)



地面を睨む真理。



「ほんと,仲いいよね」



くすくすと声をあげる凪。

(性格に似合わずお母さんがはしゃいでいた理由なんて1つしかない)



「お父さんとデートかな,やっぱり」




(お父さんは仕事人間,というよりはお人好しで,ほとんど纏まった時間を取ることが出来ない)

(し,楽しそうなので咎める人もいないんだもん)

(だからお父さんが大好きなお母さんと,お母さんが大好きなお父さんは時間が出来るとすぐ消える)



ぶわっと沸き上がる怒気。

真理の顔を両手で挟む真理。

怒気は一旦沈む。

(じゃあ,私は!?)

無表情で内心憤慨する真理。

むむむと眉が寄る。

(またあんなに楽しそうなお土産話を聞けと?)

(悔しい! 寂しい! 羨ましい! 約束までしたのに置いていかれた!)

サッと青くなる顔。

(じゃあ,私は……?)

「ねぇなぎ……私,誰にも預けられなかったんだけど……どうしたらいいの……?」
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