溺愛体質な彼は甘く外堀を埋める。(漫画シナリオ版)
(祖父母のうちは遠く,1人では行けない)

(お母さんの同僚兼友達の家は,1人で行くには気が引ける)



一人一人思い浮かべる真理。

その上何の予告もなく両親に消えられた真理。

(と言うことは日帰り? でもあのテンション……一体何泊?)

高校一年生にもなって,丸1日お留守番と言う経験のない真理が,不安になる。

ふらふらとキッチンへ向かう真理。



「真理?」



不思議そうな凪が,後ろから付いていく。

冷蔵庫をガチャリと開ける真理。



「今日だけなら…なんとか」



深刻な面持ちで呟く真理に,凪が吹き出す。



「凪,ひどい」

「だってあんまり真剣に言うから…ふっ」



凪はお腹を抱えて笑うと,目の端をぬぐって見せる。

真理がむっとして頬を膨らます。

(私の一大事なのに)
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