溺愛体質な彼は甘く外堀を埋める。(漫画シナリオ版)
⚪家の付近·登校中


「凪は…私との婚約,嫌じゃないの?」



凪を見上げる真理。

(それさえなかったら私達はただの幼馴染みでいられたのに)

視線を下げる。

(お母さんも小さい頃にお父さんと婚約していて,今もラブラブだから)

⚪(回想)リビング

歯ブラシを咥え,寝巻きでうろつく真理。

目の前で,キスを交わす両親。

真理が唇を尖らせ,視線をそらす。

苦笑する真理。

⚪回想終了


失笑する真理。

(でもそれはそれ。もう時代遅れだよ)

(お母さんには何言っても仕方ないから,凪に聞くしかない)



「僕は真理が好きだから,嫌じゃないよ?」



当たり前みたいに,伸びをしながらそう言う凪。

今更だとあくびをする。

口を引き結んで,凪を睨み付ける真理。

ぐっと拳を握って凪に寄る。

(なんでそんなに……!)

(他人事みたいに,振る舞えるの…私は……)

真理がしゅゅぅーと小さくなる。

悲しみに眉を下げる真理。



「真理」



凪が真理に片手を差し出しす。

うつ向いたまま,ぎゅっと握る真理。
< 3 / 27 >

この作品をシェア

pagetop