コーンポタージュに一言添えて....。

再会。


      「のり....くん...?」



   「お前、潮田.....?」



 やっぱりそうだ、彼は私の幼馴染の深瀬穂(フカセ ノリ)。でも..なんで、彼が私の...パートナー?

 彼とは、小学校の時よく共にセブンオーシャンのゲームをした。とても仲が良かったが、中学生になると急にしゃべらなくなってしまった。当然のことだ。簡単に言えば、彼は陽キャで、わたしは陰キャだから。そういえば...のりくん中学校でモテモテだったなあ。私なんか告られたこともないのに..。住む世界が違うんだ。相手にされなくてもしょうがない。それにしても、話すのは3年ぶりだろうか?なんか気まずい。
 そう思った時、彼は言った。
「潮田、お前さ...」
何を言われるかドキドキした。3年ぶりの会話。
でも、彼は私の怒りをかうことになった。
 
 「潮田、お前さ...太った?」  
...は?女子に向かって、デリカシーのないやつ。わたしは、のりくんに言った。
「あのねぇ!3年ぶりに喋ったっていうのに、久しぶりも言わずいきなりそれはないでしょ?」
すると彼は何故か笑って私にこう言った。
「ごめんごめん!潮田美波!久しぶり!」
 不思議だ。3年間、一度も話さなかったのに、昔と変わってない。だから、とても話しやすかった。
「それとさ、情けないよ、入学式当日から遅刻なんてさ。全く...。」私がそういうと、
「あぁ、ちょっと寝坊した。なぁ、太った?」と、相変わらず彼は、デリカシーのないことを繰り返し聞いてくる。まぁ、でもちょっと安心した。
「あんたは、そんなに私の体重が気になるの?」私がそう返してやると、「ごめんってばwwwジョークだよ。」とごまかした。相変わらずだな。ノリくんは。私を困らせる達人。それと、ゲームはうまいのよね。そして、しばらく2人で再会の喜びを分かち合っていた。

 
 話のネタは尽きなかった。まだまだ言いたいことがあった。そんな時彼は言った。

          「潮田、俺らやらかしたな」
  
やらかした?その言葉を理解できなかった。「ねぇ、何が?」と私が言いかけたとき放送が入った。

     「潮田美波さん、深瀬穂さん入学式が始まりますので、至急体育館に来てください。」


 遅刻した。これはやばい。入学式に遅れた。
「ねぇ、のり行くよ早く!」わたしはのりくんをせかした。けど、
「ん?潮田、さぼろーよ?」なんて馬鹿げたことを言ってる。
入学式から遅刻したら先生に目を付けられるに決まってる。
早くしないと。
「何言ってるのよ?早く、」お願い!
 でも彼はふざけてる。「俺、足痛くて歩けないもん!」
......。いつものりくんはふざける。困ったものだ。小学生の時も、
遠足で迷子になって、後で何をしていたのか聞いたら、「海で泳いでた」なんて...のんきなことを...。
「その冗談、小学生レベルよ!」私は、言ってやった。
「ちぇ!」    ちぇ!って何よ。
「何よ、もうしょうがないわね。だったら...」
のりくんがふざけるならそれに対抗してやろうとおもった。名案を思いついたのだ。それは、...

  そう、.....お姫様抱っこ!

 「捕まって!のりくん!」 私は、のりくんをお姫様抱っこした。
 「潮田、何する気!?」のりくんは驚いた。

それもそうよ。だって、私があなたを抱っこしてるのだから。私の自慢は怪力よ...!昔から腕の力だけ、ずば抜けていたわ。

              「いくよ、のり!」    
 
         そして私は遅れた入学式へと走り出したのだ。

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