恋のウイルス溺愛不可避
***

「ほたるー!いっしょに食堂行かないー?」

「ごめん!予習やりたくて!」

「りょーかい!じゃあ明日にでも!」

「はーい!」


お昼休み。
 
右手にはペン、左手にはサンドイッチ。

お行儀が悪いと思いつつも、もぐもぐしながら問題を解く。

今やっているのは、週末用に出ている英語の課題。

いつもだったら絶対家でやるんだけど、明日土曜は大事な、それはもう大事な予定がある。


なんてったって、「infini」の発売日。

定期購読してるから、明日1冊家に届く予定。

でもあと2冊は保存用で欲しいから、開店前から本屋さんに並ぶ。だってファンの本気はすごいから!!


昔、まだ御影くんのファンになってまもない頃。

発売日、買おうと昼に行った時にはもうとっくに完売で、店内だというのに人目もはばからず号泣したことは、忘れもしない。

あんなに泣いたのは、おばあちゃんが亡くなったとき以来。

もうあんな悔しい思いはしたくない。

そう決めてからは早朝から並んで買うって決めた。

明日はその予定がある。

だからさっさと終わらせて、土日は推し活に時間を注ぎたい。

無事にゲットして、たくさんたくさんパワーをもらいたい。

この時間があるから頑張れる。

推しがいるから私は頑張れる!


よーし、あとはここを訳すだけ!

えっと、なになに……?


「やばいやばいやばい!みんな聞いてっ!!」

ん?
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