恋のウイルス溺愛不可避


「大丈夫でしょ!バレなきゃ!」

「だよね!ほたるはどう!?いっしょに見に行かない??」

「あー、私は予定あって、ちょっと」

「ん~、残念!」


いや、ぜんぜん残念じゃない。

だって私が好きなのは御影くんで、羽林くんもものすごいイケメンさんだとは思うけど、それだけ。

あ、こんなこと言っちゃったらいつかファンの人に殺されちゃう?

キーンコーンカーンコーン。


「ほら席つけー、授業始まるぞー」

ザワザワ。ソワソワ。

それから先生が入ってきても尚、教室の空気は浮き足立ってる。


羽林尊くん、か……。

たとえば来るのが羽林くんじゃなくて、御影くんだったとしても、私は絶対に見に行かない。

だってあんな美しい人の視界に入るなんておこがましいし、はずかしいから!

雑誌や画面越しでもその美貌に死にそうになってるのに、目が合っちゃった日には四肢爆散する。

向こうは一一般人、ましてや嫌いな女の私なんぞ眼中にもないだろうけど、ごめんなさい、私は絶対会いたくないです。

ひそかにこっそり応援させてください!
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