恋のウイルス溺愛不可避


確かに私は保健委員だ。前に先生に勧められて入ったんだけど、さすがに休みの日までお仕事を頼まれることはなくて。

「でも、生徒は学校に来たらだめなんじゃ……それに、足でまといになるだけでは……」

「とんでもない!いつも一生懸命に取り組んでくれるし、仕事ぶりを見てる私が言うんだから間違いないわ!保健委員だから特別に入っても大丈夫だし」


っ、でも……。


「だめかな……?ほたるちゃんだったら私、とっても頼りになるんだけど……」

「うっ」


反則ですよ!

しょぼんと耳の垂れたワンちゃんみたい。

目もうるうるしてて……御影くん、先生、御影くん、先生……えーい!


「っ、分かりました!出ます!」

「本当に!?」

「はい!」

「ありがとう〜!とっても心強い!いてくれるだけで大丈夫だからね!」


握られた手をブンブン振られたら、もうどうしようもない。

人の役に立てる、感謝される、自分を必要としてくれてること以上にうれしいことはない。自分の存在意義を感じられるし、困ってる人を助けないなんて、私の辞書にはないから!

本屋さんは明日終わってから行く!


「じゃあまた明日、保健室で待ってるわね」

「はい!」


よーし、明日は雑誌のためにがんばろう!!

家に帰ってじっくりゆっくり読んで、たくさん妄想するんだーい!

< 20 / 21 >

この作品をシェア

pagetop