恋のウイルス溺愛不可避
***


「いったよー!」

「うわっ!?ちょっ、高すぎだって!」

「ごめんごめん!」


バシッ、バシッ。

キュッキュッ。

シャトルを打つラケットの音、シューズの音。


「はぁ……つっかれたあ」

「おつかれ、ほたる。相変わらず、空振り多くて笑っちゃった」

「みんながうますぎなの!」


今は体育、バドミントンの試合中。

苦手な私はもちろん、1点も決められず、即ゲームオーバー。

「まーまー、がんばってるのはみんな分かってるから!」

「そうそう。何にでも一生懸命なのがほたるのいいところじゃん」

「えへへ」


同じクラスの子たちに言われて、ちょっと照れくさい。


「そーいえば、他校の先輩、転校したんだよね」

「まさか、星合(ほしあい)学園?」

「そう」

「うわー、まじで。相手は?」

「どちゃくそイケメンの同い年」

「かっあ〜!うらやま!」


星合学園か……。

たしか、今朝もニュースでやってたっけ。

感染者が、少しずつ増えてるって。
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