私と貴方の秘密の一年間
 っ、頭が痛い。一酸化炭素中毒の自殺方法を試したからか? いや、違う。試す前に電話が来たからそこまで体に害は無いはずだ。

 女子生徒は俺に気づかず、そのまま歩き出し学校に向かった。

 あぁ、なんだろう。無性に追いかけたい、腕を捕まえたい。

 今の顔が笑顔になったら、瞳に光が宿ったら。あの瞳の先に、俺が映るようになったら。

 俺は、"また"我慢できなくなるだろう。我慢出来なくなって、俺はまた、過ちを繰り返す。

 いや、我慢はしなくてもいいか。あっちが俺に近づいてきたら、仕方がないだろ。そう、あっちから、俺に来た時。その時は――……

「――――今年からの三年間は、楽しくなりそうだな」

 過ちを繰り返さないため、俺があいつの教師という枷を持っている期間のみ。

 楽しもうか。
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