私と貴方の秘密の一年間

「お前、飯食ってないだろ? これもお前のだし。だから、半分こ」
「え、私は大丈夫ですよ? 一食抜いただけで問題が発生するものじゃないし」
「おい、何言ってんだ。飯を一食抜いただけでも、体は疲れ脳は衰え。空腹で思考が回らず、意識が飛ぶかもしれないんだぞ。飯を舐めるな金糸雀美鈴」
「…………経験者ですか?」
「なぜ公務員で、生徒を一番に考えている俺がここまで金に困らねぇといけないんだ、ふざけるなよ…………。校長許さねぇ」
「減給の前に、自殺に使う道具を我慢すればご飯くらい余裕で食べれると思うのですが――――世界滅亡顔を浮かべないでください」

 なぜ自殺しなければこの人は生きられないのか。いや、この言葉自体矛盾している。
 自殺は"自分を殺す"で自殺のはず。なのに、なぜ自分を生かす為にこの人は自殺を繰り返すのか。しかも、教師という職業について。

 渡され続けるお弁当、これは受け取らないとずっとこのままだな。

「そんなに食べたくないのか?」

 あ、これもしかいたら。食べたくないと言えば、先生は食べてくれるだろうか。

「…………食べたくないでっ――――」


 ――――――――ぐぅぅぅぅぅぅぅぅううううう

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