私と貴方の秘密の一年間
「二度目は、ありませんからね?」
「…………はい」
小型の盗聴器を握りつぶして、先生に無理やり頷かせる事に成功。さすがにこれは、これは…………恥ずかしいって!!!
だって、いつからついていたのかわからないけど、私の独り言や先生が大好きすぎて唸っていた声も、もしかしたら聞かれていた可能性があるって事でしょ?!
制服は私の部屋に干してあるし、学校の時は起きてすぐに着替えるし。ブレザーは、リビングに持って行って近くに置いている。
ずっと、先生は私の声を聞いていたという事? いやぁぁぁぁぁぁぁあああ!!!
「私のあんな声やこんな声が聞こえていたという事に…………」
「あぁ、いや。俺は、さすがに全部を聞いていたわけじゃないぞ」
「ほ、本当ですか?」
「あぁ。しいというなら。おそらく部屋の中であろう場所で、俺にめちゃくそ愛を叫んでいた事ぐらいだろうか」
「一番聞かれたくなかったんですけどぉぉぉおおおお」
この先生、本当にデリカしいがない!!!
「もう教室戻ります!!!」
「おぉ、うまかったぞ」
「それはよかっ――――っ」
油断した。後ろにすぐ、先生の気配。いつの間に立ち上がって私の背後に。
「今度は、俺の事を思って作って来てよ」
「――――っ」
耳元、鼓膜がぞわぞわする。先生の低く、甘い声が直接脳に響いているような感覚。背中に先生の体温を感じて、何も言えない、体を動かせない。
「…………~~~~~~~失礼します!!!!!」
早く先生から離れないと!!! このまま流されてしまったらまずい!!!
「おー、いってらっしゃい」
手を振りながら私を見送る先生。ちっとも緊張してない、余裕だ。
私ばっかりこんなに取り乱して、本当に嫌だ。
先生の余裕がない顔とか、赤面とかも見てみたいな。どうすれば見る事が出来るんだろう。
私から近づいても、多分笑顔を返されるだけ。
「…………先生の事、私、本当に好きすぎるよぉ!!」