私と貴方の秘密の一年間
「…………」
「…………? 何ですか、せんせっ――――見てないですよ!?」
「何も言ってないんだけどな」
「何笑っているんですか…………」
もしかして、今私から離れたのって、私を試したの? もし、見たらどうしていたんですか。まぁ、私は先生が嫌がる事は極力しませんが。
「…………先生って、愉快犯ですよね?」
「なんの話?」
「…………」
――――ガラッ
「待て、金糸雀美鈴!!! 俺の結果を窓の外に出してどうするつもりだ!! まさか捨てる気か!? 手を離す気かおい!!!」
「いえ、ゴミを見つけたんで捨てないとと思いまして」
「確かにゴミのような結果だったけど捨てるのは待って!!!!」
まったく。まぁ、さすがに本当に捨てるようなことはしませんが、なんか先生にダメージを与えたいですね。じゃないと、絶対にまた何かする。
ガラッ
あ、ドアが開いた――――って、さすがにこの状況やばいのでは? 先生は私の手を掴んでいるし、距離も近い。先生は平然としているけど、何かいい訳があるんか?
「九頭霧先生。今回の健康診断の結果を渡してください」
あれ、教頭先生? 何で機嫌悪そうな顔を浮かべてるの?