私と貴方の秘密の一年間

「…………別に、俺はいいんだけどな」
「え?」
「どこで漏れたかはわからんが、俺的にはどっちでもいいぞ。お前がそれだけ俺の事を考え、調べようとしているって事だからな。一日中、俺の事だけを考えておけばいいさ」
「っ――……」

 もう、この先生は本当にずるい。そんな、優しい笑顔を見てしまったら、そんな、愛おしいような笑顔を見てしまったら。

 私は、我慢が出来なくなってしまう。

「俺もお前のこと知りたいしな」
「き、聞いてくださったら何でも答えっ――それをもう一度仕掛けたら、私は何をするかわかりませんよ」
「スイマセンデシタ」

 何でまだ持っているんですか、盗聴器。もしかして、新しく買ったんですか? はったおしますよ?

「それじゃ、俺は校長室に行ってくるわ」
「あっ――……」

 私の頭を撫でて、そのまま去ってしまった先生。

 あぁ、駄目だ。またしても、抑えられない。抑え、られないよ、先生。

「はぁぁぁぁぁああ。…………先生、大好き」

 どうか、先生も、私と同じくらい好きでありますように――……
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