俺が、好きになっちゃダメ?
夏芽と親友になったのは、1年生になって間もない頃の、ネットについての授業を学校でやってからのことだった。
とある高校生の女の子は、SNSで手作りのアクセサリーを作って投稿し、人気になったがそれと同時に誹謗中傷がひどくなってしまい、自ら命を絶ってしまったという話。
1番ひどい誹謗中傷していたのは、自ら命を絶ってしまった子と同じく高校生の女の子だった。
『この先、誹謗中傷をしていた女の子はどうなってしまうか。そして、命を絶った女の子の周りはどうなってしまう可能性があるか、他の人と話し合ってみてください』
先生がそう言ったことで、わたしは夏芽とペアになって話し合うことになった。
正直、気まずかった。
なんせ、お互いに暗い表情しっぱなしだったし。
だけど……
『わたし……こういう話って結構堪えるんだよね……。彼氏、似たような感じで亡くしたことあって』
こんなことをいきなり親しくもない人に話されても困るに決まっているのに、夏芽は、
『そっか』
としか言わなかった。
『彼氏、じゃないんだけど』
夏芽は、寂しそうに笑いながら続けた。
『わたしは、お父さんとお母さんを亡くしてるんだ……』
まるで朝の来ない夜に、ひとつだけ輝いている星のように見えた。