俺が、好きになっちゃダメ?

そこから、わたしと夏芽は仲良くなった。


もちろん、玲よりもずっと大事になった、というわけではない。


夏芽が、玲の代わりになったというわけではない。


わたしだって、夏芽のお父さんやお母さんの代わりになったというわけでもない。


けれど、同じように身近な人を亡くした苦しみは、同じ経験をした人が1番よくわかっているということは、わたし達は知っていた。


だから、わたし達は次第になんでも話すようになって、時には楽しい話をして一緒に笑うようにもなって……。


笑い合う時間が、どんどん増えていったのだ。


……玲のことはもちろん忘れられないけれど。


玲……玲は声変わりをしていただろうな。
玲は、どんな声で話していたのかな。
玲は、どれくらい身長が伸びたのかな。




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