俺が、好きになっちゃダメ?

「ねえねえ、今日の宿題さー、作文あるんだよな」



「そうだよ! 締切は、金曜日だったはず」



「じゃあ、一緒にやるか!」



ランドセルを背負った男の子と女の子が、手を繋ぎながら通り過ぎていった。

付き合っているのか、あるいはただのお友達か幼なじみかもしれない。

微笑ましいけれど、なぜか切ない気分になってしまう。



『車とかが走ってて危ないから、雫は俺の手を離しちゃダメだぞ!』



『うん、わかったよ。玲』



いつかしていた会話。


幼い男女を、あの時の私と玲となぜだか重ねてしまう自分が嫌だ。

見ず知らずの幼い子供に対して、どうかあの子達にはわたし達のような不幸がやってきませんようにと願ってしまう。




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