俺が、好きになっちゃダメ?
「やっぱり、雫のお母さんのフルーツタルトは、いつ食べても美味しいね!」
夏芽が満面の笑みを浮かべている姿は、すごく可愛い。
奥二重の瞳がニコッと細くなり、ますます優しい顔になって、桃色の頬はもちろん健在で妖精みたい、と思う。
「ふふっ、お母さんが言ったら喜ぶよー」
タルトを食べ終えて、そのままだとカスタードクリームがコントローラーについてしまうので、一度べとべとになった手を洗ってからゲームの準備をする。
「久しぶりだねえ、2人で一緒にゲームやるの」
「うんうん!」
2人で一緒に楽しいことをやると、プラスな気持ちは2倍になるっていう言葉はあるけれど、夏芽と一緒だと本当だなぁと思ってしまう。