俺が、好きになっちゃダメ?
第2章
雫side
修学旅行の日が、あっという間にやってきた。
早起きをして、バッグを持って空港に集合し、荷物を預けて時間通りに飛行機へ乗った。
飛行機の中では、大半の子は眠るか喋るかで、テンションの差は激しかったけれど、念願の沖縄に着いた途端、みんなはエメラルドグリーンの海を見てはワーッと声を上げた。
「おい、木嶋! 起きろよ。もう海見えるぞ」
「海なんて飛行機降りても見えるだろ。うるさいなぁ」
木嶋くんは別の男子に起こされ、大きなあくびをしながら答えている。
「うわぁー、綺麗だねー!」
隣にいる夏芽が、声を上げた。
「うん……!」
海がまるで別次元。
エメラルドグリーンの海が、どこまでも広がっている。
手前には、真っ白な砂。
海も砂も、太陽の光を受けてキラキラと光っていて、あたり一面宝石のようだ。