俺が、好きになっちゃダメ?

「何、こいつ」



「あんた達自分が何したか分かんないの? 人1人殺してんだよ!?」



顔が、熱い。
沖縄だからというのもあるんだろうけど、それ以外の理由もある。



「いやいやいや、よく考えてみるとあれじゃない? あたしら、別に殺してないよね?」



「あー、そうじゃん! 元はと言えば、あいつが勝手に死んだんだった!」



なぜか、2人は楽しそうに笑っている。


何が、元はと言えば、なの?
何が、勝手、なの!?



「……しょ」



震えるわたしの唇から、うまく声が出てこない。



「なんて?」



男の子は大げさに、耳をすましている。



「違うでしょ!」



どうにか声を振り絞ることができた。



「うるっせぇなー。お前は何が違うって言いてぇんだよ」



「元はと言えば、玲が勝手に死んだんじゃない! あんた達が玲をそこまで追い詰めたのよ!」



「ちげーよ、あいつが選んだことだろ」



「そうよ、あんたもそこまで想われてなかったんじゃないの?」



追い打ちをかけるように、女の子もわたしを責めてきた。



「本当に彼女を愛していたら、どんなにツラくても死ぬことを選ばなかったでしょ」



言われるたびに、悔しさと怒りがどんどん積もっていく。




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