俺が、好きになっちゃダメ?
本当に彼女を愛していたら、どんなにツラくても死ぬことを選ばなかったって……。
なんで、この人達が勝手に決めるの……?
玲が、どれだけわたしを大切にしてくれたか、ちっとも分かってないくせに!
「訳わかんない事を言わないでよ!」
わたしは必死に叫んだ。
「玲を返して!」
「返せって俺らに言うなよ。俺らのところにもうあいつはいな……」
「うるさい!! いいから返して! 返して!! 返してよ玲を! この人殺し!!」
叫んだ後、急に力が消耗されたような気分になってしまい、言葉が出てこなくなってしまった。
「ありゃ? もう言い返せなくなっちゃった?」
悔しい気持ちが募る。
なんで、こうなっちゃったんだろう。
玲の仇を取ろうとしたわたしが、間違いだったの?
「毛利ー!? 何をしてるんだ?」
遠くから、先生が近づいてきた。
近くでは、明日香ちゃんや木嶋くん達が呆然とした顔でわたしを見ていて、何も言おうとしない。
「あっ、もしかしてこの方の先生ですか?」
「実はですねー……」
2人は、一方的にわたしが怒鳴ったということにして、結局わたしだけが先生に怒られるハメとなった。
玲のことを話そうにも話せなかったし。
どうしてこうなっちゃったんだろう。
玲はもう故人だから、今更何をしようにも報われないの?
どうして……?