俺が、好きになっちゃダメ?
「ん?」
彼も、わたしの顔をまじまじと見る。
「お前……よく見たら、あいつの元カノじゃん」
そう、その人は玲を死に追いやった、そして修学旅行でも会った、イオリと呼ばれた人だったのだ。
何があいつの元カノだよ。白々しい!
「イオリさんか」
「そ。俺は、森下 伊織。んで、あの時いたのは、俺の彼女の永田 麻理奈な」
へぇ、付き合っている関係だったんだ。
「ラムネ? へぇー、あいつとも一緒に飲んでたりしたの?」
あいつ、あいつって、なんでこんな人に玲があいつ呼ばわりされなくちゃいけないんだろう。
「……まあね」
「でも今は1人なの」
「そーだけど」
……誰のせいで、今わたしが1人だと思ってるんだろう。
「よく飲めるよなぁ」
「は?」
言っている意味がわかんない。
自分だって、飲もうとしているじゃない。
「死んだ彼氏と一緒に飲んでたものなんて、つらくて無理なんじゃないかと思ってた」
そういう意味だったのか。
なんだかバカにしているようにしか見えない。
「……そりゃ中にはそういう人もいるかもしれないけど、わたしは違うよ」
こうしていれば、玲が少しでも一緒にいるんじゃないかと思えたりする。
だから、余計にラムネを飲んだりするのに。