俺が、好きになっちゃダメ?
『改めて見るとさ、本当にここって海しか見えないね』
ザラザラとした感触のある砂の上に、2人で横に並んで座る。
『田舎だしなぁ』
都会のように、大きなビルなんてない。
近くにはコンビニすらないし、学校は遠いし、車なしの生活なんて考えられないくらいだ。
『教会くらいあれば、最高なんだけどなぁ』
『教会?』
わたしが不思議に思いながら玲の顔を見ても、彼は海を眺めながら優しい表情をしていた。
『ここら辺に、教会があれば結婚式挙げられんじゃん』
結婚式……。
『海綺麗だし、教会がないのもったいねぇ』