俺が、好きになっちゃダメ?
『いつか、教会できたらいいね』
『そうそう。いつかここら辺に教会できてー、結婚式挙げてー……』
玲の将来の希望の語りを聞いて、わたしはくすりと笑った。
『ふふっ……。結婚式のことについて計画立てるのは、ちょっと早すぎない? わたし達、まだ小6だよ?』
『遅すぎるよりも、早すぎる方がいいだろ』
あっけらかんと笑う玲。
『海が見える教会で結婚式なんて、最高だろ?』
『そうだねぇ。教会で結婚式かぁ』
『まあ、海とか教会よりももっと重視しないといけないのってあるけどな』
『ん?』
『雫に決まってんじゃん。だって雫いないと、結婚式挙げられねーもん』
『ふふっ』
『結婚式には絶対にいろよ。いいな?』
『もちろん! 玲も、結婚式にはわたしの隣にいてね。絶対だよ!』
それなのに、玲はわたしの隣からいなくなった。