甘く、溶けるように。
なんだかもう、自分が惨めに思えてきた。
ついこの間まで「諏訪先輩とデートだ!!」とはしゃいでいた時間が懐かしい。
「…私ね、クリスマスに彼氏と過ごすの…すごい憧れだったの」
そんな言葉を、吐き出すようにこぼしていた。
「高校生になったら、自然と彼氏ができるって思ってた。そりゃもちろん、努力とか必要だっていうのはわかってたけど…その上で、“いつかは”って漠然と思い描いてて…」
私の家は、多くのカップルが通る道沿いにある。
駅に向かう学生や、家に彼氏を連れてくる人たち。