甘く、溶けるように。
小学生くらいの頃からそういう光景を見て育ったせいか、彼氏彼女という関係に憧れを抱いていた。
なんなら、高校生もいるが、中には中学生で男女仲良く手を繋ぎながら下校する子たちも見てきた。
だから私は、幸せそうにしている恋人たちの仲間になりたくて。
「色々頑張ってたつもり…なんだけどね。やっぱり、ダメだったみたい」
…だめだ、自分で言ってて泣きそう。
自嘲気味に言ってみたものの、自分で自分の傷をえぐるだけ。
今日のために買ったワンピースも、クローゼットの奥から引っ張り出した高いコートも、一生懸命練習したメイクとかも…。