甘く、溶けるように。
「ぜんぶ、無駄だったのかなぁっ…?」
これ以上泣いたって意味ないと頭ではわかっていても、緩んでいる涙腺からぽたぽたと涙が落ちていく。
さっきまで甘いココアを飲んでいたはずなのに、口の中はしょっぱくなるばかり。
私、何やってるんだろ…。
せっかく芹沢くんが入れてくれたココアとか、優しさを無駄にして…。
自己嫌悪に陥りそうになったとき、ふわりと温かな何かに包まれた。
「大丈夫。誰も見てないから。思う存分泣いて」
まるで彼女に対する行動のように優しく抱き寄せて、耳元で囁かれた。