甘く、溶けるように。
芹沢くんと雨宿り
「………ほんとに雨降ってる」
冬休み明けの登校から二日が経った。
今日は朝から天気が良く、雨が降る素振りなんて全くなかったのに。
「千桜、今日雨降るって知ってた?」
「へ?雨…?」
「その顔は知らないな。はぁ…これだからおっちょこちょいは」
「おっちょこちょいとは違うでしょ!」
「似たようなもん」
高校に入ってからできた友達である梨絵こと中島梨絵と、昼休みにお弁当を食べている最中に言われた。
「天気予報見てないの?」
「だって晴れてたから」
「馬鹿」
「酷い!!」