甘く、溶けるように。
冬にしては珍しく、雲一つない清々しい朝だった。
昼休みの時だって、教室は電気をつけなくても明るくて暖かい方だったし。
「…まぁ、誰かに傘借りるなりすれば?私は今日部活だから、相合傘してあげれないよ」
購買で買ったパンを頬張る梨絵に、口を尖らせる私。
「っていうか、まだ降るって決まったわけじゃないじゃん」
そうだよ、梨絵はお天気お姉さんでもなんでもないんだから。
「コレ見てもそれ言えんの?」
納得できないと言う私に、自分のスマホを見せる梨絵。
梨絵に見せられた天気予報アプリを5個くらい見ても、降水確率の欄には100%と書かれていて。