甘く、溶けるように。

「ううん!ぜんっぜん大丈夫!!梨絵が言ったことは気にしないで!」



梨絵は何を言ってるの!?



この期に及んで、これ以上芹沢くんに迷惑をかけちゃダメでしょ絶対。



私が傘を忘れたのが悪いのだ。



風邪をひくくらいが、反省するのにちょうどいいのかもしれない。



「ごめん芹沢くん、千桜を頼んでもいいかな?」



梨絵は私の意思とは反対に、ついにはお願いし始めた。



頼んですらいないのに…!!



「いや、だからいいって…」



「俺はいいよ。真中さんがよければ」

< 27 / 38 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop