甘く、溶けるように。
「ううん!ぜんっぜん大丈夫!!梨絵が言ったことは気にしないで!」
梨絵は何を言ってるの!?
この期に及んで、これ以上芹沢くんに迷惑をかけちゃダメでしょ絶対。
私が傘を忘れたのが悪いのだ。
風邪をひくくらいが、反省するのにちょうどいいのかもしれない。
「ごめん芹沢くん、千桜を頼んでもいいかな?」
梨絵は私の意思とは反対に、ついにはお願いし始めた。
頼んですらいないのに…!!
「いや、だからいいって…」
「俺はいいよ。真中さんがよければ」