甘く、溶けるように。
芹沢くんが「さすがにそれは…」と言うのを期待していたのに、返ってきたのはまさかの了承だった。
「ほんと?助かる、ありがとうね。じゃあ、千桜をよろしく。私部活行くんで」
芹沢くんの了承を得ると、荷物を持って教室からすたこら出ていった。
ま、待ってよ梨絵!
勝手に話進めないでくれる!?
なんて文句も言えぬまま、私は隣にいる芹沢くんをちらりと見る。
「えーっと…梨絵の言ったことは気にしないでね?さすがにそこまでお世話になるつもりは無いので…」
うん、これでいい。