甘く、溶けるように。

「あの、大丈夫ですか…?」



真上から降ってきた美声に驚き、ぐしゃぐしゃの顔のまま見上げる。



そこには、どこか見覚えがある整った顔立ちのエプロンをつけた美青年が、心配そうに千桜の体を支えていた。



「…せり、ざわくん……?」



彼の名は芹沢冬貴。



「え……あ、真中さん…?」



クラスメイトで千桜の隣の席に座る、学校一のモテ男がそこにはいた。
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