甘く、溶けるように。
今更そのことに気がついて聞くと、芹沢くんは首を横に振った。
「それはへーき。店長と他のバイトがやってくれてあるよ」
「それなら良かった…」
私のせいで芹沢くんが怒られるようなことがあったら…と思うだけで血の気が引ける。
店長さんやバイトの方は奥で片付けをしていて、カフェのホールには私と芹沢くんしかいない。
芹沢くんは、ココアを飲む私のそばにいるだけ。
何があったの?とか、詮索するようなことは一切ないから、芹沢くんに気を使わせてしまっているかも…。
「…何も、聞かないんだね」