甘く、溶けるように。
だから、わざわざ私の方からそんなことを言ってしまうくらいには、この空気が堪えがたいものになっていた。
「…まぁ、クリスマスに女の子ひとりで凍えてるってことは、何かしらがあったわけでしょ。服だって、明らかにデート服だし」
「う…それは…そう、だね」
聞かなくてもわかるとでも言わんばかりの顔で告げられた事実。
自分の身に起こったとは思いたくないけど、やっぱりこれは現実なわけで。
ちらっとスマホを確認しても、諏訪先輩からのメッセージはない。
たぶん、既読もついてないだろう。