俺様御曹司のなすがまま、激愛に抱かれる~偽りの婚約者だったのに、甘く娶られました~
「ナンパするなら、外でやれよ。野迫川」
「ナンパじゃない。真剣だよ。僕は。ね、飛鳥ちゃん」
「いや、あのですから――」
私はまったく話を聞かない野迫川社長に、どう対応していいのか困っていた。しかしこの後すぐにもっと困ったことになる。
「あ、そうだ! いいこと思いついた」
「なんだよ、いったい」
御杖部長がやれやれと言った様子で、返事をしている。
「今度の婚活パーティの担当、飛鳥ちゃんにして」
「えっ!」
リンクスの婚活パーティはかなり大規模なものだ。
ここで働き始めたころに開催されていたものを覗いたことがあるし、一昨日ご契約いただいたカップルは出会いのきっかけがリンクスのパーティだったと言っていた。
うちにとっても顧客獲得につながる大切なパーティだ。
私にできる?
これまでの失敗が頭をよぎる。
「飛鳥、やってみるか?」
御杖部長の言葉に戸惑う。でも彼は私ができないと思えばこんなふうに聞いてこないはずだ。そのわずかな期待が私の胸に勇気をともす。
「はい、がんばりたいです」
しっかりと顔を上げて、御杖部長の顔を見ながら答えた。
「気合いれすぎだ。わかった、そっちの担当は誰だ?」
御杖部長は野迫川社長の方を見る。
「俺」
「は?」
「だから、俺がやる。飛鳥ちゃんがやるなら俺がやる」
にっこりと微笑むその顔に一抹の不安がよぎる。
私、業界大手の社長さんと仕事するの?
「おい、私情で仕事をするな」
「ひどいな、大輝。俺がそんなことするわけないだろ。ただ、彼女の今後を考えて俺と仕事する機会があってもいいんじゃないかな」
どうやら野迫川社長の言葉にも一理あるようで、さっきまで反対していた御杖部長は、何か考えているようだ。
「たしかに、こんなだけど野迫川と仕事をするのは勉強になる。いけるな? 飛鳥」
「はい。勉強させてもらいます。野迫川社長よろしくお願いします」
「はいは~い。楽しみだねっ」
頭を下げた私に、野迫川社長は相変わらず軽い返事をした。
難しい仕事であるのは間違いない。自分の手にあまるかもしれない。しかしやってみたいという好奇心がどうにも押さえられない。
「楽しみです」
「お、いいね! いいね! じゃあ僕から大輝にもいいものをあげよう」
「ナンパじゃない。真剣だよ。僕は。ね、飛鳥ちゃん」
「いや、あのですから――」
私はまったく話を聞かない野迫川社長に、どう対応していいのか困っていた。しかしこの後すぐにもっと困ったことになる。
「あ、そうだ! いいこと思いついた」
「なんだよ、いったい」
御杖部長がやれやれと言った様子で、返事をしている。
「今度の婚活パーティの担当、飛鳥ちゃんにして」
「えっ!」
リンクスの婚活パーティはかなり大規模なものだ。
ここで働き始めたころに開催されていたものを覗いたことがあるし、一昨日ご契約いただいたカップルは出会いのきっかけがリンクスのパーティだったと言っていた。
うちにとっても顧客獲得につながる大切なパーティだ。
私にできる?
これまでの失敗が頭をよぎる。
「飛鳥、やってみるか?」
御杖部長の言葉に戸惑う。でも彼は私ができないと思えばこんなふうに聞いてこないはずだ。そのわずかな期待が私の胸に勇気をともす。
「はい、がんばりたいです」
しっかりと顔を上げて、御杖部長の顔を見ながら答えた。
「気合いれすぎだ。わかった、そっちの担当は誰だ?」
御杖部長は野迫川社長の方を見る。
「俺」
「は?」
「だから、俺がやる。飛鳥ちゃんがやるなら俺がやる」
にっこりと微笑むその顔に一抹の不安がよぎる。
私、業界大手の社長さんと仕事するの?
「おい、私情で仕事をするな」
「ひどいな、大輝。俺がそんなことするわけないだろ。ただ、彼女の今後を考えて俺と仕事する機会があってもいいんじゃないかな」
どうやら野迫川社長の言葉にも一理あるようで、さっきまで反対していた御杖部長は、何か考えているようだ。
「たしかに、こんなだけど野迫川と仕事をするのは勉強になる。いけるな? 飛鳥」
「はい。勉強させてもらいます。野迫川社長よろしくお願いします」
「はいは~い。楽しみだねっ」
頭を下げた私に、野迫川社長は相変わらず軽い返事をした。
難しい仕事であるのは間違いない。自分の手にあまるかもしれない。しかしやってみたいという好奇心がどうにも押さえられない。
「楽しみです」
「お、いいね! いいね! じゃあ僕から大輝にもいいものをあげよう」