俺様御曹司のなすがまま、激愛に抱かれる~偽りの婚約者だったのに、甘く娶られました~
第四章 友達以上、婚約者未満
第四章 友達以上、婚約者未満
「た、たたた……たい、大輝さん」
「はぁ、なんだよそれ。名前呼ぶのどんだけ下手なんだ」
呆れた顔で私を見下すように見ている目の前のイケメンは、ヘイムダルホテル御曹司でブライダル事業部部長で――かつ、先日から私の婚約者(偽装)になった男だ。
そして私は事業部長室でプレジデントデスクに座る彼の横に立ち、彼の名前を呼んでいた。
「下手とかないですよ、名前呼ぶだけなのに」
唇を尖らせた私の鼻を彼がつまんだ。
「だったら、最初の〝たたたた〟っていうのはなんだよ。ほら読んでみろ」
「……大輝さん」
「微妙な間があったが、まあいい」
しぶしぶ与えられたような合格だったが、この恥ずかしい状態から解放されるとならば些末なことだ。
「婚約している俺たちがぎこちないと、周囲が変に思うだろう」