俺様御曹司のなすがまま、激愛に抱かれる~偽りの婚約者だったのに、甘く娶られました~
酒に酔っているせいか、素直な感想がポロッと口からこぼれる。
「あはは、俺の顔気に入ってくれた?」
「嫌いな人なんているんですか?」
女性に問わず男性だって虜にしかねない姿だ。
「そう? だったら嫌なこと忘れるために、俺に抱かれてみる?」
「え……」
突然の提案に私は目を見開き、彼の顔を見つめる。
「冗談……ですよね?」
「いや、割と本気。俺に抱かれた程度じゃ忘れられる保証はないけど、試してみる価値はあるんじゃないのか?」
なんて暴論なの?
そう思ったが心や揺れる。初対面の男にベッドに誘われて迷うなんてこと今までの私の人生では一度もなかった。はっきり迷う余地なくお断り案件だ。
それなのにいま心の中は、〝YES〟〝NO〟が渦巻いている。
彼から視線をはずして、足元を見る。
御杖さんはその態度で私の胸の内を把握したようだ。
「迷うなら、やめておこう。下まで送る」
しかし気が付けば私は、歩き出した御杖さんのシャツを掴んでいた。
「あっ、いや。あの、これは」
自分の行動に驚き、あたふたする。そんな私に大輝は甘く微笑んだ。
「行く? 俺据え膳はきっちりいただく最低な男だけど」
「うぅうう」
本当にそうなのかもしれない。けれどひどい男ならそんなこと言うだろうか?
それになにより、最低な一日をこんな気持ちのまま終えたくなかった。
目をあちこち泳がせながら、私は酔った頭をフル回転させる。
しかし決断を迫る御杖さんは、私がシャツを握っている手を引き離し、ぎゅっと握りしめた。
「自分で決めるんだ。ちゃんと自分の口で言って」
まっすぐに見つめてくるその形のいい目に、吸い込まれそうだ。胸がドキドキして体がうずく。
このやりとりは、すでに情事のはじまりだった。
「私を、今すぐ抱いてください」
意を決し、顔を上げ言葉にした。それまで感じていた風の音や都会の喧騒なんて一ミリも聞こえない。ただ自分の心臓の音だけが胸に響く。
御杖さんはわずかに目を細めて、そんな私を見下ろしていた。
「あはは、俺の顔気に入ってくれた?」
「嫌いな人なんているんですか?」
女性に問わず男性だって虜にしかねない姿だ。
「そう? だったら嫌なこと忘れるために、俺に抱かれてみる?」
「え……」
突然の提案に私は目を見開き、彼の顔を見つめる。
「冗談……ですよね?」
「いや、割と本気。俺に抱かれた程度じゃ忘れられる保証はないけど、試してみる価値はあるんじゃないのか?」
なんて暴論なの?
そう思ったが心や揺れる。初対面の男にベッドに誘われて迷うなんてこと今までの私の人生では一度もなかった。はっきり迷う余地なくお断り案件だ。
それなのにいま心の中は、〝YES〟〝NO〟が渦巻いている。
彼から視線をはずして、足元を見る。
御杖さんはその態度で私の胸の内を把握したようだ。
「迷うなら、やめておこう。下まで送る」
しかし気が付けば私は、歩き出した御杖さんのシャツを掴んでいた。
「あっ、いや。あの、これは」
自分の行動に驚き、あたふたする。そんな私に大輝は甘く微笑んだ。
「行く? 俺据え膳はきっちりいただく最低な男だけど」
「うぅうう」
本当にそうなのかもしれない。けれどひどい男ならそんなこと言うだろうか?
それになにより、最低な一日をこんな気持ちのまま終えたくなかった。
目をあちこち泳がせながら、私は酔った頭をフル回転させる。
しかし決断を迫る御杖さんは、私がシャツを握っている手を引き離し、ぎゅっと握りしめた。
「自分で決めるんだ。ちゃんと自分の口で言って」
まっすぐに見つめてくるその形のいい目に、吸い込まれそうだ。胸がドキドキして体がうずく。
このやりとりは、すでに情事のはじまりだった。
「私を、今すぐ抱いてください」
意を決し、顔を上げ言葉にした。それまで感じていた風の音や都会の喧騒なんて一ミリも聞こえない。ただ自分の心臓の音だけが胸に響く。
御杖さんはわずかに目を細めて、そんな私を見下ろしていた。