お姫様達は王子様と永遠に
「すみません、綾乃です。後ほどすぐに掛け直し致しますので、宜しくお願い致します」

話中音が、聞こえてから、ガチャンと受話器を置くと、私は、颯を睨んだ。

「な、何だよっ。怒んなよ!」

「怒るよっ!取引先の方に失礼でしょ?!」

颯は、プイッとそっぽを向くと子供みたいに、不貞腐れている。

「もうっ、颯は、副社長室に戻って!」

颯が、語気を強めた私を驚いたように見ると、また口を尖らせた。

「言わんこっちゃないですね……颯先輩、いま美弥に嫌われたの分かってます?」

「え?嘘だろ?美弥、そうなのか?」

「颯が、隣に居たら仕事にならないっ!あっち行って!」

妊娠中だからだろうか?いつもなら此処までイライラしないのだが、今日は、颯の我儘とベッタリ具合に我慢できない自分が居た。
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